関東学生連合チームの成績と学生のコメント

16校もの大学の学生によって結成された「第97回箱根駅伝 関東学生連合チーム」の挑戦は、総合20位相当に終わりました。学生たちは、10位相当以内の順位を目標に準備し、精一杯の走りをしましたが、目標を達成することはできませんでした。

往路の不発が総合成績に響いたかたちですが、復路は11位相当の記録をマークし、存分に力を示してくれました。オープン参加という立場が微妙であることは間違いないことですが、学生たちは、そんなことは気にかけず、高いモチベーションを保って戦ってくれたと思います。

それは、学生たちのコメントでも示されています。それぞれの学生が何かを感じ、成長し、今後の飛躍の糧となったはずです。応援ありがとうございました。(監督しての総括やコメントは、後日、アップさせていただきます)

関東学生連合チーム監督:弘山  勉(筑波大学 駅伝監督)

◆第97回箱根駅伝 関東学生連合チームの総合成績

順 位(参考) タイム(参考)
往 路 20位相当 5時間45分46秒
復 路 11位相当 5時間32分24秒
総 合 20位相当 11時間18分10秒

 

往路のゴールテープを切る杉浦(慶應義塾大)写真:4years 佐伯航平

◆第97回箱根駅伝 関東学生連合チームの区間成績

区間
(距離)
氏名
(大学)
区間順位
(参考)
タイム
(参考)
1区
(21.3km)
難波 天
(麗澤大)
10位相当 1:03:26
2区
(23.1km)
河村 悠
(亜細亜大)
21位相当 1:11:38
3区
(21.4km)
小島 慎也
(中央学院大)
18位相当 1:05:31
4区
(20.9km)
中山 凛斗
(立教大)
18位相当 1:05:33
5区
(20.8km)
杉浦 慧
(慶應義塾大)
21位相当 1:19:38
6区
(20.8km)
大川 歩夢
(東京経済大)
14位相当 1:00:04
7区
(21.3km)
小坂 友我
(日本大)
12位相当 1:04:54
8区
(21.4km)
高槻 芳照
(東京農業大)
12位相当 1:05:56
9区
(23.1km)
町田 康誠
(駿河台大)
12位相当 1:10:40
10区
(23.0km)
松川 雅虎
(芝浦工業大)
6位相当 1:10:50

地元(出身地)の7区を力走する小坂(日大)

◆選手のコメント

難波(1区)麗澤大学
箱根駅伝に出場して感じた率直な気持ち
 とても楽しい舞台でした!
目標に対しての結果を自己分析
 自分が想定していたペースよりも遅く、またペースの変動が激しく思ったより足を溜める走りにはできませんでした。また六郷橋の登りでも脚を使ってしまい、下りの終わりからのペースアップに対応出来なかったことが反省点です。しかし、自分が想定していたレースではないにしても、冷静に対応できてたのではないかと思います。また、自分でも強い選手としっかり勝負できたのは収穫です。
今後の抱負
 来年からも実業団で競技続けることになったので、今回の大会を糧にもっと強い選手と競っていける選手になっていきたいです。
関東学生連合チームの存在意義、位置づけ、改善点・要望
 関東学生連合のチームの存在意義はあまり示せてないかと思います。復路は11位相当と頑張りましたが、やはり往路であまりいい位置で走れなかったので、もう少し冷静なタイム設定が必要なのかと思いました。しかし今回の経験をチームに話すこともでき、各大学にはプラスになると思いました。
河村(2区)亜細亜大学
箱根駅伝に出場して感じた率直な気持ち
 めちゃめちゃ楽しかった!悔しかった!
目標に対しての結果を自己分析
 緊張、焦りが出たレースになってしまった。それがなければもっと善戦できてたかも?しれない。いずれにしても圧倒的に実力足りず。
今後の抱負
 勝てる強さを余すことなく出せる自分になる。
関東学生連合チームの存在意義、位置づけ、改善点・要望
 各々が悔しさを持ち帰ることで勢いが各校増す。
2区を力走する河村(亜細亜大)
小島(3区)中央学院大学
箱根駅伝に出場して感じた率直な気持ち
 力不足でした
目標に対しての結果を自己分析
 良かった点は特にありません。
今後の抱負
 基本的な事から徹底して行なっていきます
関東学生連合チームの存在意義、位置づけ、改善点・要望
 箱根駅伝を経験した事ない人だけが走るということで、このような舞台を経験することは、これからの陸上人生に生きてくると思うので、とても良かったと思います。改善点としては学生連合はチームワークが他のチームに比べて少ないから結果が残さないとよく言われていると思うので、チームワークをもっと高めていく必要があると思いました。
中山(4区)立教大学
箱根駅伝に出場して感じた率直な気持ち
 楽しむことが出来ずに、ひたすら辛かった。しかし、自分自身の課題や弱さを見つけることができた。これを今後修正していこうと思えた。
目標に対しての結果を自己分析
 結果としてB目標にも全く届かなかった。序盤にいいペースで入れたのは良かったが、その後にきつくなって粘ることが出来なかった。5区の杉浦さんにいい条件で渡すことが出来なかった。
今後の抱負
 自分の弱さが出たレースになりました。これを練習でもっと強い自分を育てていき、チームを自分が引っ張るという気持ちでやっていく。
関東学生連合チームの存在意義、位置づけ、改善点・要望
 1区でも難波さんが存在感を見せていたように、学生連合があることで、出れないはずの選手が箱根を経験出来るというのは、とても良いことだと思いました。
杉浦(5区)慶應義塾大学
箱根駅伝に出場して感じた率直な気持ち
 夢の舞台に立てたことは嬉しかった。だが、あそこで活躍する選手とは見てる世界が違った。その時点で負けていたことが悔しかった。
目標に対しての結果を自己分析
 良かった点は、出走までの準備。コース分析がきちんとできていて、走りのイメージはクリアだった。悪かったのは風の予測を見誤っていたことと、それを覆すモチベーションがなかったこと。根本的な問題だが、上にも書いたように、活躍する選手との世界線が違った。どこかで区間10位くらいにはなれるという妥協があった。選ばれている選手たちの中で輝くことがちゃんと難しいということを痛感した。
今後の抱負
 この区間順位で競技生活を終えるのは許し難いので、来年はチームで出場し、逆襲する。そのためのラストイヤーにします。
関東学生連合チームの存在意義、位置づけ、改善点・要望
 今年は感染症の影響で非常に難しい運営となったと思う。全員がいる集合写真がないように、まとまり・チーム感を得るのが難し過ぎた。ただ、学生連合は多くのチームから選手が集まっている分、たくさんの人から応援してもらえるし、注目も想像以上に集められる。そのチームがあるだけでも、存在意義はあったと肌で感じた。ただ、その位置づけをより大きなものとすることが、予選会落ちした選手たちのモチベーションになると思う。今回、復路の選手たちはシード争いの位置で戦えていた。本戦は層の勝負かと思っていたが、それ以上に流れのスポーツ、団体戦感が強いなと感じた。学生連合に限らないが、よく言われるように1,2区で流れに乗れないと厳しい。
6区を力走する大川(東京経済大)
大川(6区)東京経済大学
箱根駅伝に出場して感じた率直な気持ち
 個人としては、出場できて良かったと思う。でも、そこの舞台で勝負に加われなかったことはとても悔しい。
目標に対しての結果を自己分析
 最初の5キロまでは良かったが、中盤が思った以上にスピードに乗れていなかった。一斉スタートにいい選手がいたがついていけなかったのが悔しい。自分が復路の流れを作ると考えていたが、つくれなかった。
今後の抱負
 この悔しさを糧に自分がチームを引っ張って、チームでもっと上を目指していけるようにする。
関東学生連合チームの存在意義、位置づけ、改善点・要望
 各大学でバラバラなところをもっと親密性を高めないと、1人崩れた時にキツくなってしまうと感じた。
小坂(7区)日本大学
箱根駅伝に出場して感じた率直な気持ち
 箱根駅伝を走るというのみならず地元を走るという貴重な体験をさせていただき、素直に嬉しいです。しかし、結果としては満足していません。
目標に対しての結果を自己分析
 良かった点は、良い流れに乗って2チームを追い抜かせたこと。悪かった点は、前に追いついた後に牽制してしまいタイムが落ちてしまったこと。
今後の抱負
 前半をもっと楽に走れるようなスピードの強化。後半粘れるような足作り、フォームの改善。
関東学生連合チームの存在意義、位置づけ、改善点・要望
 別チームの選手たちでチームを組んで走る経験は滅多にできないことなのでこれからも学生連合は存続して欲しい。今回はコロナで頻繁に集まることはできなかったが、もっと集まって練習などをしたかった。
高槻(8区)東京農業大学
箱根駅伝に出場して感じた率直な気持ち
 貴重な経験ができてとても嬉しかったです!
目標に対しての結果を自己分析
 目標タイムに近いタイムで走れたのはよかった。後ろにつかれないように最初に突っ込み気味で走ることが出来たのは良かったが、遊行寺の坂をもっとしっかり上りたかった。ラストの切り替えが上手くいかなかった。
今後の抱負
 まずは学生ハーフで61分台で走る。
関東学生連合チームの存在意義、位置づけ、改善点・要望
 様々な情報を共有することができる所。各大学、個人で大会後により明確な目標設定ができる所。
町田(9区)駿河台大学
箱根駅伝に出場して感じた率直な気持ち
 万全な体調とメンタルで臨めましたが力不足を感じました。
目標に対しての結果を自己分析
 良かった点は、スタートから10キロまでいいリズムでいけました。権太坂の登りでは川崎監督(中央学院大)からのアドバイスであったように、登りで温存する走りができました。悪かった点は10キロから少しずつペースが落ちていき、15キロから20キロにかけてペースがかなり落ちてしまった事です。
今後の抱負
 今回、悔しい結果で終わってしまいましたが、逆に、この箱根駅伝で良いタイム良い順位で襷を回す事が出来れば絶対楽しいと思いましたし、味方にも勢いをつける事ができると思うので、箱根に通用するレベルをもっと目指していきたいと思いました。また、自分のチームに今回の結果をしっかり伝えて、箱根駅伝は甘くない事と戦えるようなレベルを自分含め作っていきたいと思いました。
関東学生連合チームの存在意義、位置づけ、改善点・要望
 関東学生連合チームがあれば、箱根駅伝に出場する新しいチームを作る大きなきっかけになると思います。
松川(10区)芝浦工業大学
箱根駅伝に出場して感じた率直な気持ち
 嬉しかったし、楽しかった。
目標に対しての結果を自己分析
 目標の区間タイムを高くしすぎたかもしれないが、B目標前後のタイムでは走れたのでよかった。
今後の抱負
 いつでも安定した走りをする選手になりたい。
関東学生連合チームの存在意義、位置づけ、改善点・要望
 予選会敗退校でも、箱根を走れる力や素質を持ってる人が沢山いるので、これからも連合チームは続いて欲しい。

 

8区を力走する高槻(東京農業大)写真 Instagram @taku_run_workout


◆補欠選手のコメント

梶山拓郎(補欠)流通経済大学
箱根駅伝に出場して感じた率直な気持ち
 補欠として走ることはできなかったが、間近で見て、やはり走ってみたかったと後悔しました。
目標に対しての結果を自己分析
 いつでも走れる準備はできていた。サポートもしっかりできたと思う。
今後の抱負
 今回学んだことや感じたことを今後の競技へとつなげていきたいと思う。
関東学生連合チームの存在意義、位置づけ、改善点・要望
 関東学生連合チームとして、全員で集まることができずに少し残念な部分がある(コロナの影響で)。
前山晃太郎(補欠)桜美林大学
箱根駅伝に出場して感じた率直な気持ち
 陸上競技を始めた頃からの目標であったのでとても嬉しかった
目標に対しての結果を自己分析
 今回、出走は叶いませんでした。その中で出走する為には、まだ自分の力不足な部分があったからであると感じています。もっと力を付ける事が必要だと思います。
今後の抱負
 大学での競技は終わりますが、今後実業団で続けるので、今回の経験を活かし結果を残していきます。
関東学生連合チームの存在意義、位置づけ、改善点・要望
 今回、4年生で最後の箱根駅伝となったが、関東学生連合として箱根駅伝を経験する事でやはり箱根駅伝を走りたい、チームで出たいという思いを強く感じる事ができた。1〜3年生でこの経験をすることで、次の予選会に向けてチームを引っ張っていきチームが強くなる事でより箱根駅伝が面白くなっていくと思う。
厚浦大地(補欠)関東学院大学
箱根駅伝に出場して感じた率直な気持ち
 他の大会にはない緊張感と面白さがあると感じた。
目標に対しての結果を自己分析
 予選会後、28分台を目標にして達成することは出来なかったが、それに近づけるような走力を身につけたりレース展開ができるようになったと思う。条件が揃っていれば出せるイメージはあった。ただ、スピードが圧倒的に不足していたので、そこを強度の高いポイント練習を積み重ねて対応できるようにする必要があると感じた。
今後の抱負
 10000mで28分55秒。ハーフマラソンで62分40秒のタイムを出すこと。
関東学生連合チームの存在意義、位置づけ、改善点・要望
 今回、私に関していえば11番手ということで、あと一歩で箱根駅伝出場を逃し、とても悔しい思いをした。秒差で逃したその出走権は今後の競技人生において活きてくることだと感じている。学生連合チームがなければこの感情は生まれなかったはずなので、このような集団組織が存在してよかったと思う。要望としては、選考方法が納得できなかった。個人の選出であるのに、スタート地点でタイムロスが出ていることを除外したり、秒差であるのに選考せずに区切りをつけてしまったこと、内定者は確定するのに補欠はなぜか優先順位を選考するのか、など、内定者以外が見たら確実に疑問が浮かぶ方法だった。毎年、選考では揉めるということなので、今後このようなことがないように、学連はあらかじめ予選会のスタート前に予選会のゴール順に出走権を得ると要項に記載するべきであると思った。
村上航大(補欠)上武大学
箱根駅伝に出場して感じた率直な気持ち
 競技をしていて良かったと感じられた
目標に対しての結果を自己分析
 目標の10位には届かなかった
今後の抱負
 来年は走れるように練習を継続する
関東学生連合チームの存在意義、位置づけ、改善点・要望
 箱根駅伝になくてはならない存在だと思う
新田 颯(補欠)育英大学
箱根駅伝に出場して感じた率直な気持ち
 補欠で悔しい思いをしたが、必ず来年出場したいというモチベーションになった。
目標に対しての結果を自己分析
 箱根駅伝全体的にみて、安定した強さを持っており、且つ、しっかりと準備できていれば、結果がついてくると感じた。
今後の抱負
 来年は必ず箱根路を走る!
関東学生連合チームの存在意義、位置づけ、改善点・要望
 関東学生連合チームがあることで、箱根駅伝に出れるという希望を見出せることができ、選手の成長に繋がると思う。
菊池駿介(補欠)大東文化大学
箱根駅伝に出場して感じた率直な気持ち
 知っている人たちが目の前を走っていてそこに出れていないことがとても悔しかった。
目標に対しての結果を自己分析
 練習が足りていなかったり、チームのあり方が甘い部分があったことが原因だと感じた。
今後の抱負
 チームを強くし、箱根に出る。
関東学生連合チームの存在意義、位置づけ、改善点・要望
補助員ではなく、補欠として一番近い場所で箱根駅伝を見ることができたことはとても良いことだと感じた。また、どんなチームが強いのか、箱根に出たことがないチームがチーム作りを行なっていく上で経験というものが大切であるので、その経験を味わうことができ、チームの立て直しに繋がることが存在意義であると思う。

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