箱根駅伝エントリーの日!~結べなかったネクタイ~

12月10日に箱根駅伝の選手エントリーが完了しました。記者発表(オンライン)もあり、箱根駅伝の戦いがいよいよ開幕したような感じでしょうか。

昨年は「筑波大学」の監督として、今年は「関東学生連合チーム」の監督として、監督・代表者会議と記者発表に臨みました。

実は、この日のために、箱根駅伝予選会前に学生から送られた誕生日プレゼントがあります。それは、「予選通過を果たし、監督会議で着けてもらいたい」と学生が言いながら渡してくれた『ゴールドのネクタイ』です。

12月10日、オンライン形式で実施された監督会議は、正装を義務付けられたため、そのゴールドのネクタイを着けようか迷いました。結局、着けるのはやめました。筑波大学の代表ではないので。皆の想いが詰まったネクタイを着けるのは、来年まで“おあずけ”です。

そんな心の葛藤があったので、各校の監督さんが目標タイムやチームの特徴を話すのを聞いていると、18秒差で予選敗退した悔しさが蘇ってきました。何とも言えない感情でしたが、「この場に居られるだけでも幸せであるのかもしれないな」と来年に向けて闘志が湧いてくる感情の変化がありました。悔しさを力に換えろ!!です。

関東学生連合チームは、予選敗退した大学から各校一人づつ(一度でも箱根駅伝に出場した者は除いて)選出されます。各校の学生たちが、箱根駅伝を経験し、箱根駅伝に対する情熱をさらに高ぶらせる狙いであるのですが、予選11位の大学の監督が連合チームの監督を務めるのは「悔しさを忘れない機会を与えられていることになるのだな」と感じたりもしました。

しかも、今回、筑波大生は連合チームに選ばれていません。11位という最も悔しい思いをした大学の学生が「悔しさを忘れずに、箱根駅伝への想いを熱くする機会を得られない」のは残念でなりません。「お前(弘山)が新しい強い選手を育成できなかったからだろ!」と周囲から怒られていると思うようにしています(笑)。

第97回関東学生連合チームのエントリー選手は以下の通り。

梶山拓郎 流通経済大学4 29 : 44 . 47 1 : 03 : 33
難波 天 麗澤大学4   29 : 10 . 41 1 : 01 : 47
前山晃太郎 桜美林大学4 29 : 02 . 62 1 : 03 : 23
厚浦大地 関東学院大学  29 : 21 . 09 1 : 03 : 12
河村 悠 亜細亜大学3  28 : 56 . 56 1 : 02 : 39
小坂友我 日本大学3   28 : 55 . 36 1 : 03 : 10
〇 杉浦慧 慶應義塾大学     29 : 22 . 26 1 : 02 : 53
小島慎也 中央学院大学2 28 : 42 . 41 1 : 03 : 03
大川歩夢 東京経済大学2 29 : 15 . 36 1 : 03 : 09
新田 颯 育英大学2   30 : 20 . 29 1 : 03 : 17
松川雅虎 芝浦工業大学2 29 : 19 . 69 1 : 03 : 04
村上航大 上武大学2   28 : 38 . 47 1 : 02 : 01
町田康誠 駿河台大学2  28 : 58 . 94 1 : 02 : 58
菊地駿介 大東文化大学2 30 : 05 . 73 1 : 03 : 30
高槻芳照 東京農業大学1 29 : 53 . 70 1 : 02 : 35
中山凜斗 立教大学1   28 : 50 . 52 1 : 03 : 13

筑波大学の箱根駅伝未経験者は、予選会でチーム6位になった皆川になるのですが、「彼が連合チームに選ばれる走りをしていたら、筑波大学はチームで予選通過していた」という笑い話のような事実があります。面白いものです。

筑波大学は、昨年、第96回箱根駅伝の予選を通過しました。それは、相馬が関東学生連合チームで第95回箱根駅伝に出場したことによるチーム内の活性化があったからです。箱根駅伝に出場した相馬は、チームに戻って、興奮を隠しきれずに同級生に、箱根駅伝の素晴らしさを力説したのです。給水係で参加して同級生の上迫も同様。

第95回箱根駅伝に関東学生連合チームで出場した相馬崇史(5区) 写真@アフロスポーツ

この世代の学生が、チーム改革を推進し、箱根駅伝に出場できるチームに生まれ変わらせたのです。とくに、給水係を務めた上迫(プレイングマネージャー)の情熱が、箱根駅伝への参加で大きくなったのです。

給水係として参加した上迫彬岳も感動 差 写真@アフロスポーツ

これこそが、箱根駅伝関東学生連合チームがある意義だと思います。20校という枠にプラスして1枠が付与されて、16校が連合チームで参加するわけですが、たかが、一人と言うなかれ。前述の筑波大学のように、給水係や応援を加えるとかなりの人数が箱根駅伝を当事者の立場で参加することになるのです。

予選敗退で意気消沈するチームの活気を失わないツールであるとしたら、もたらされるエネルギーをさらに増幅させるためには、箱根駅伝本戦で上位争いしたほうが良いに決まっています。その役目を私は担っていることになります。来年のライバル校を元気させる役割ということです(笑)。

まあ、それは冗談として。箱根駅伝を目指す全ての学生が元気に活動し、そして成長し、箱根駅伝を盛り上げ、発展させ、学生たちが社会に出た後も活躍してもらうことを願っています。「あの時の関東学生連合チームでの活動が“飛躍のきっかけ”になった」と言ってもらえるよう精一杯やりたいと思います。

今回の関東学生連合チームは強いと思います。

予選会の上位10人の平均タイム:62分43秒
チーム上位10人の1万m平均タイム:28分59秒

昨日から2泊3日の合宿に入りました。学生たちの走りを見て、そろそろ区間配置のイメージを作っていくことになります。参加する学生たちが、ワクワクするような戦略を立てられるようにしたいと思います。

合宿の様子も本ブログで報告しますので、お楽しみに!

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